体内レドックス制御によるインスリン抵抗性の発症予防およびその作用機序を解明することを目的として、2型糖尿病の病態に近い2種のマウスモデルやin vitro系を用いて検討した。その結果、セレン欠乏のみならず、亜鉛欠乏によって耐糖能が低下したが、亜鉛投与によるインスリン抵抗性改善作用は期待できないことが示唆された。 そこで、高用量のセレン負荷がインスリン抵抗性を惹起する可能性に着目し、甲状腺ホルモン代謝やセレンタンパク質発現との関連性を検討したところ、インスリン抵抗性の惹起にセレンタンパク質のグルタチオンペルオキシダーゼ1およびセレノプロテインP1発現が関与することが示唆された。
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