• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

糖化反応物による生活習慣病発症機構解明と高感度診断法構築のための基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590169
研究機関崇城大学

研究代表者

武知 進士  崇城大学, 薬学部, 教授 (10222100)

研究分担者 石田 卓巳  崇城大学, 薬学部, 准教授 (10301342)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード酸化ストレス / 糖化反応 / 糖尿病 / 細胞毒性
研究実績の概要

糖尿病による合併症の発症機構として、グルコースなどの還元糖とアミノ基を有するタンパク質などとのメイラード反応により生成するAGEs と呼ばれる糖化反応物の存在が注目されている。AGEsの一種であるジヒドロピラジン ( DHP ) 類は、酸化により糖尿病患者の血中や尿中で増加するピラジン類に変化するが、DHP 類による細胞毒性の報告はなく有効な測定法もなかった。本研究では、これらDHP類に注目し、DHP類 による毒性評価を酸化的ストレスの発生、並びに生体内機能性高分子化合物の酸化的修飾を焦点に解析し、DHP類の検出法の基盤について検討した。
DHP曝露したHepG2 細胞では、抗酸化ストレス遺伝子GCLC、GCLM、HO-1などの発現が著しく増加していた。さらに、抗酸化ストレス転写因子Nrf2の細胞内蓄積が抗酸化ストレス遺伝子転写誘導に先んじて起こることが明らかになった。また、Nrf2結合配列であり、抗酸化ストレス遺伝子発現を調節する酸化ストレス応答配列 (ARE) 依存的であることが明らかになった。
DHP曝露したHepG2 細胞について、F-actinの局在化の変化、特に細胞接着面でのF-actinの減少が観察された。細胞周期解析の結果から、DHP暴露細胞ではG2/M期細胞の割合が増加し、caspase-3の活性化が観察された。これらの結果より、DHPによる細胞骨格の変化を介し、細胞接着能の低下、細胞周期のG2/Mアレストならびにcaspase活性化による細胞死を誘導する機構が解明され、DHP毒性測定の基盤となる新たな知見が得られた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of dihydropyrazines on human hepatoma HepG2 cells: a comparative study using 2,3-dihydro-5,6-dimethylpyrazine and 3-hydro-2,2,5,6-tetramethylpyrazine2014

    • 著者名/発表者名
      Ishida, T., Yamaguchi, T., Takechi, S.
    • 雑誌名

      J. Toxicol. Sci.

      巻: 39 ページ: 601-608

    • DOI

      10.2131/jts.39.601

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 2,3-dihydro-2,2,5,6-tetramethylpyrazine による亜鉛輸送タンパク質 ZnT-1 の誘導2015

    • 著者名/発表者名
      石田卓巳、武知進士
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸サンボーホール ( 兵庫県神戸市 )
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 糖化反応中間体 dihydropyrazine による細胞増殖抑制2015

    • 著者名/発表者名
      武知進士、石田卓巳
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸サンボーホール ( 兵庫県神戸市 )
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 糖化反応中間体によるHepG2細胞増殖阻害2014

    • 著者名/発表者名
      樫原龍輝、石田卓巳、武知進士
    • 学会等名
      第31回 日本薬学会九州支部大会
    • 発表場所
      第一薬科大学 ( 福岡県福岡市 )
    • 年月日
      2014-12-07
  • [学会発表] 糖化反応中間体dihydropyrazine ( DHP ) による増殖阻害2014

    • 著者名/発表者名
      武知進士、石田卓巳
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 ( 神奈川県横浜市 )
    • 年月日
      2014-11-27
  • [学会発表] 糖化反応中間体dihydropyrazineによる亜鉛輸送蛋白の発現変動2014

    • 著者名/発表者名
      小林睦美、満留意与、石田卓巳、武知進士
    • 学会等名
      フォーラム2014衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      つくば国際会議場 ( 茨城県つくば市 )
    • 年月日
      2014-09-19
  • [備考] 崇城大学 薬学部 環境衛生薬学講座 衛生化学研究室

    • URL

      http://www.ph.sojo-u.ac.jp/~stakechi/HygienChem090727/index.html

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi