研究課題/領域番号 |
24590176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松原 和夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20127533)
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研究分担者 |
福土 将秀 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60437233)
米澤 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90452341)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 薬学 / 薬物動態 / 遺伝子多型 / トランスポータ |
研究概要 |
パーキンソン病患者の治療において,L-ドパ長期療法による特有の有害反応,特にウェアリング・オフ現象は最も改善すべき問題点である。本研究では,L-ドパ長期投与に伴う薬物動態の変化と薬物動態(pharmacokinetics)に関与する遺伝的要因(pharmacogenetics)などを明らかにし,個々の患者に最適なL-ドパ療法(併用薬を含む)の設計(患者個別化薬物療法)の開発を目的とする。パーキンソン病患者10名、レビー小体型認知症患者1名を対象とし、L-dopa(100 mg)単独またはL-dopa(100 mg)とCOMT阻害薬であるエンタカポン(100 mg)を同時に服用し、服薬前と服薬後に経時的に静脈血を採取し、L-dopa 血中濃度をHPLC-ECD により測定した。COMT の遺伝子多型はtetra-primer ARMS-PCR 法により調べた。その結果、COMT の遺伝子型は、高活性型の野生型(H/H)が6例、ヘテロ型の変異(H/L)が4例および低活性型のホモ型(L/L)が1 例であった。エンタカポンの投与によるL-dopaのAUC0-4hの変化については、H/H群、H/L群では増加傾向が見られたが、L/Lの1例ではほとんど変化が見られなかった。よってエンタカポンがL-dopaの血中濃度に及ばす影響は、COMT遺伝子多型により変動を受けることが示唆された。さらに、パーキンソン病患者18名において空腹時の経時的なLドパ血中濃度測定を行った結果、約半数では健常人のデータと酷似した血中濃度プロファイルを示したが、残りでは吸収のピークが観察されなかった。今後、症例数を蓄積し行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所属の移動で研究計画が一時中断したが、概ね目標を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、症例数を蓄積し行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費については、追加の症例数の血中濃度測定、遺伝子解析に使用する予定である。
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