近年、覚醒剤精神病モデル動物の脳内から新規N-アセチル転移酵素Shati(別名Nat8l)が見出された。しかし、その機能的役割はほとんど明らかにされていない。そこで、本研究では、Shatiの生理的機能を明らかにするとともに、臨床利用への可能性を検討した。 遺伝子改変マウスを用いた神経科学的解析により、ShatiがmGluR3を介してグルタミン酸作動性神経システムを機能調節し、情動性に重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、ヒト末梢血由来ゲノムDNAを用いた分子生物学的解析により、Shatiプロモーター領域のメチル化解析が、精神疾患の診断に利用できる可能性が示唆された。
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