COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)は交感神経系に係る神経伝達物質であるカテコールアミンの不活性化に関与する酵素であるが、その阻害剤は本邦においてパーキンソン病の治療薬として臨床実用されている。 我々はCOMT不全による高脂肪食下での耐糖能悪化やCOMT代謝産物による耐糖能障害の改善が、インスリン分泌やその抵抗性の変化によることを動物実験ならびに細胞実験において証明し得た。 臨床でパーキンソン病患者に使用されているCOMT阻害剤の代謝への影響を糖負荷試験を実施して検討した結果、明らかな代謝異常はきたさず治療用量では問題は認めなかったが更なる検討を要すると判断された。
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