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2012 年度 実施状況報告書

治療薬開発を目指したリボフラビントランスポータ機能欠損の病態生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590190
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

米澤 淳  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90452341)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード薬学 / 薬物動態学 / 先天性疾患 / 膜タンパク質 / ビタミン
研究概要

研究計画初年度には、リボフラビン動態解析におけるRFVTの役割およびRFVT SNPの機能解析を行い以下の成果を得た。
T84細胞の頂側膜における[3H]リボフラビン取り込み活性は、細胞外pHの上昇に伴って減少し、細胞外Na+に非依存的であった。これらの輸送特性はRFVT3の機能的特徴と酷似していた。また、頂側膜側からの[3H]リボフラビン取り込み量は、RFVT3阻害剤であるメチレンブルーの共存により顕著に低下した。T84細胞にRFVT3-siRNAを導入したところ、同様に頂側膜を介した[3H]リボフラビン取り込み量は有意に低下した。さらに、マウス小腸における[3H]リボフラビンの膜透過性は、メチレンブルーの共存により有意に低下した。以上のことから、RFVT3がリボフラビンの腸管吸収に関与していることが示唆された。
BVVL患者においてRFVT2の遺伝子多型が2個、RFVT3の多型が12個報告されており、In vitro発現系を用いて遺伝子多型の機能解析を行った。すなわち、QuikChange II Site-Directed Mutagenesis Kitを用いて、既にクローニングしたRFVT2、RFVT3に変異を導入し、リボフラビン輸送活性に及ぼす遺伝子多型の影響について検討を行った。その結果、患者の重症度に対応した多型による機能低下が観察され、病態発現とRFVT機能の関連が示唆された。
なお、昨年度RFTはHUGO databaseに遺伝子名SLC52A、タンパク名RFVTとして登録された。そのため計画書ではRFT1,2,3と記載したものをRFVT1,3,2と変更した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画は概ね順調に進んでいる。マウスの繁殖が予定より少なかったためノックアウトマウスを用いた機能解析が一部行えなかったが、阻害剤等を用いた検討で目的は達成できた。

今後の研究の推進方策

ノックアウトマウスの交配数を増加し研究計画を予定通り遂行する。すなわち、ノックアウトマウスの病態解析ならびに動態実験を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

ノックアウトマウスの維持費、消耗品費として昨年度の残額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Novel riboflavin transporter family RFVT/SLC52: Identification, nomenclature, functional characterization and genetic diseases of RFVT/SLC522013

    • 著者名/発表者名
      Yonezawa A
    • 雑誌名

      Mol Aspects Med

      巻: 30 ページ: 693-701

    • DOI

      10.1016/j.mam.2012.07.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impaired riboflavin transport due to missense mutations in SLC52A2 causes Brown-Vialetto-Van Laere syndrome2012

    • 著者名/発表者名
      Haack TB
    • 雑誌名

      J Inherit Metab Dis

      巻: 35 ページ: 943-948

    • DOI

      10.1007/s10545-012-9513-y

    • 査読あり
  • [学会発表] リボフラビンの肝取り込みにおけるRFVT/SLC52Aの関与

    • 著者名/発表者名
      八尾 祉顕
    • 学会等名
      第34回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] リボフラビンの腸管吸収における RFVT3/SLC52A3の役割

    • 著者名/発表者名
      吉松 宏樹
    • 学会等名
      日本薬学会 第133年会
    • 発表場所
      横浜

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公開日: 2014-07-24  

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