研究概要 |
研究計画初年度には、リボフラビン動態解析におけるRFVTの役割およびRFVT SNPの機能解析を行い以下の成果を得た。 T84細胞の頂側膜における[3H]リボフラビン取り込み活性は、細胞外pHの上昇に伴って減少し、細胞外Na+に非依存的であった。これらの輸送特性はRFVT3の機能的特徴と酷似していた。また、頂側膜側からの[3H]リボフラビン取り込み量は、RFVT3阻害剤であるメチレンブルーの共存により顕著に低下した。T84細胞にRFVT3-siRNAを導入したところ、同様に頂側膜を介した[3H]リボフラビン取り込み量は有意に低下した。さらに、マウス小腸における[3H]リボフラビンの膜透過性は、メチレンブルーの共存により有意に低下した。以上のことから、RFVT3がリボフラビンの腸管吸収に関与していることが示唆された。 BVVL患者においてRFVT2の遺伝子多型が2個、RFVT3の多型が12個報告されており、In vitro発現系を用いて遺伝子多型の機能解析を行った。すなわち、QuikChange II Site-Directed Mutagenesis Kitを用いて、既にクローニングしたRFVT2、RFVT3に変異を導入し、リボフラビン輸送活性に及ぼす遺伝子多型の影響について検討を行った。その結果、患者の重症度に対応した多型による機能低下が観察され、病態発現とRFVT機能の関連が示唆された。 なお、昨年度RFTはHUGO databaseに遺伝子名SLC52A、タンパク名RFVTとして登録された。そのため計画書ではRFT1,2,3と記載したものをRFVT1,3,2と変更した。
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