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2013 年度 実施状況報告書

治療薬開発を目指したリボフラビントランスポータ機能欠損の病態生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590190
研究機関京都大学

研究代表者

米澤 淳  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90452341)

キーワード薬学 / 薬物動態学 / 先天性疾患 / 膜タンパク質 / ビタミン
研究概要

RFVT2およびRFVT3の生理的役割について培養細胞及びマウスを用いた検討を行った。RFVT2は小腸下部に高発現し腸上皮細胞内への取り込みを媒介することを明示した。また、RFVT3は幅広い臓器に発現することから、今回は肝臓をモデル細胞として検討した。その結果、肝臓へのリボフラビン取り込みに大きく寄与し、血中濃度低下により発現が誘導されるなど、組織内のリボフラビン濃度の恒常性維持に寄与することが明らかとなった。
さらに、海外研究者との共同研究によりBrown-Vialetto-Van Laere syndrome (BVVLS)患者18名(13家族)の遺伝子解析および変異の機能解析を実施し、RFVT2の機能低下がBVVLS発症の原因になる可能性を示した。また、高用量のリボフラビン投与により症状の完全が見られ、有効な治療法に繋がると期待された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験計画は概ね順調に進んでいる。マウスの繁殖が予定より少なかったためノックアウトマウスを用いた機能解析が一部行えなかったが、臨床研究が予想以上に進捗したため目的は達成できた。

今後の研究の推進方策

ノックアウトマウスの交配数を増加し研究計画を予定通り遂行する。すなわち、ノックアウトマウスの病態解析ならびに動態実験を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

マウスの繁殖が予定より少なかったためノックアウトマウスを用いた機能解析が一部行えなかったため。
ノックアウトマウスの維持費、消耗品費、委託解析費として昨年度の残額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Involvement of Riboflavin Transporter RFVT2/Slc52a2 in Hepatic Homeostasis of Riboflavin in Mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Yao Y, Yonezawa A, Yoshimatsu H, Omura T, Masuda S, Matsubara K.
    • 雑誌名

      Eur J Pharmacol

      巻: 714 ページ: 281-7

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2013.07.042.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Treatable childhood neuronopathy caused by mutations in riboflavin transporter RFVT2.2013

    • 著者名/発表者名
      Foley AR, Menezes MP, Pandraud A, Gonzalez MA, Al-Odaib A, Abrams AJ, Sugano K, Yonezawa A, Manzur AY, Burns J, Hughes I, McCullagh BG, Jungbluth H, Lim MJ, Lin JP, Megarbane A, Urtizberea JA, Shah AH, Antony J, Webster R, et al.
    • 雑誌名

      Brain

      巻: 137 ページ: 44-56

    • DOI

      10.1093/brain/awt315.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional involvement of RFVT3/SLC52A3 in intestinal riboflavin absorption.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshimatsu H, Yonezawa A, Yao Y, Sugano K, Nakagawa S, Omura T, Matsubara K.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol.

      巻: 306 ページ: G102-10

    • DOI

      10.1152/ajpgi.00349.2013.

    • 査読あり
  • [学会発表] RFVT3ノックアウトマウスにおけるリボフラビン恒常性の破綻2014

    • 著者名/発表者名
      吉松宏樹、米澤 淳、山西香里、八尾祉顕、中川俊作、大村友博、松原和夫
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] Brown-Vialetto-Van Laere syndrome (BVVLS)患者におけるリボフラビントランスポータ2(RFVT2/SLC52A2)遺伝子多型の機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      菅野久美子、米澤 淳、吉松宏樹、八尾祉顕、大村友博、John Christodoulou、松原和夫
    • 学会等名
      第7回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20131123-20131124

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公開日: 2015-05-28  

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