最終年度には、これまでに得られた患者情報ならびに培養細胞を用いたRFVTの機能解析の結果に基づき、動物を用いた病態生理学的解析を実施した。RFVT機能欠損マウスにおいてBrown-Vialetto-Van Laere Syndrome(BVVLS)患者と臨床症状と合致する検査所見が観察された。さらに、ある薬物Aによってこれらが回復することを確認した。本研究成果は、本モデルマウスがBVVLSのモデル動物になることを示すとともに、治療法開発に大きく貢献するものと考える。 研究期間全体を通じで、培養細胞、実験動物、患者情報を組み合わせて、BVVLSの病態生理に関する基礎的情報を得られ、治療法開発に大きく貢献したと考える。特に、既報のRFVT3/SLC52A3変異に加えて、RFVT2/SLC52A2の変異についてもBVVLS症状を示す症例を報告した。RFVT2遺伝子変異患者においては、RFVT3の場合と異なりリボフラビンの血中濃度低下をほとんど示さない特徴を示すことから、OMINの登録についても新しい分類がなされ、BVVLS2; OMIM#614707が新たに登録された。 今後、本研究で作成したモデル動物について論文報告をするとともに、病態生理の解明と治療法の開発につなげる予定である。
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