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2012 年度 実施状況報告書

がん細胞のセラミド代謝系制御による効果的がん化学療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24590197
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

尾崎 恵一  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50252466)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードCeramide / PI3-kinase / Akt
研究概要

セラミド代謝酵素の一つであり、セラミドをグルコシル化することでそのアポトーシス誘導能を不活化することが知られているGlucosylceramide synthase (GCS)の発現レベルが、PI3-kinase/Akt経路の活性化レベルの高いがん細胞で亢進していることを見出した。
以前より、我々は上記の様ながん細胞において、PI3-kinase/Akt経路の特異的な遮断剤(LY294002やAKT1/2-inhibitor)を併用することによって、いくつかの抗がん剤の感受性を亢進させ、顕著なアポトーシスを誘導させることを明らかにしてきた。そこで、本年度の研究では、セラミド代謝経路、PI3-kinase/Akt経路、抗がん剤に対するがん細胞の感受性との関連について解析をすすめ、以下の様な知見を得た。1)PI3-kinase/Akt経路の活性化レベル、GCSの発現レベルの高いがん細胞では、LY294002やAKT1/2-inhibitorを併用することで、ドキソルビシン(DXR)による細胞死誘導効果を増強できる。それと同様の効果が、GCS阻害剤の併用や、siRNAによるGCSの発現抑制によっても見られた。2)LY294002やAKT1/2-inhibitorによって、がん細胞のGCS mRNAの発現が抑制され、その酵素活性が低下することを明らかにした。3)以上のことから、PI3-kinase/Akt経路の活性化レベルの高いがん細胞では、その下流の一つにセラミド代謝酵素GCSがあり、その発現、活性レベルを高くすることで、抗がん剤(DXR)感受性を低下させている可能性を見出した。即ち、PI3-kinase/Akt経路よりもGCSが、より有効な“がん分子標的”であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

セラミド代謝経路、PI3-kinase/Akt経路、抗がん剤に対するがん細胞の感受性との関連について解析できた。

今後の研究の推進方策

細胞内のセラミド量の定量を行う。

次年度の研究費の使用計画

基本的には、物品費に利用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Blockade of the ERK pathway enhances the therapeutic efficacy of the histone deacetylase inhibitor MS-275 in human tumor xenograft models2013

    • 著者名/発表者名
      T. Sakamoto, K. Ozaki, et al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun.

      巻: 433 ページ: 456-462

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2013.03.009.

    • 査読あり
  • [学会発表] MEK阻害剤によるがん細胞のHDAC阻害剤感受性増強の分子機構

    • 著者名/発表者名
      尾崎惠一、川崎亮平、河野通明
    • 学会等名
      第16回日本がん分子標的治療学会学術集会
    • 発表場所
      北九州市
  • [学会発表] 非小細胞肺がん細胞株に対するペメトレキシドとシスプラチンとの併用効果

    • 著者名/発表者名
      尾崎惠一、村山裕一、川崎量子
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      札幌市

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公開日: 2014-07-24  

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