研究課題/領域番号 |
24590197
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
尾崎 恵一 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50252466)
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キーワード | Ceramide / PI3-kinase / Akt |
研究概要 |
PI3 kinase/ Akt経路の活性化レベルの高いがん細胞では、その下流の調節遺伝子にセラミド代謝酵素Glucosylceramide synthase (GCS)があり、発現が正に制御されていることからその発現レベル、酵素活性レベルが高い。したがって、セラミドを誘導することで抗がん作用を発現するドキソルビシンのような抗がん剤の感受性は、その代謝酵素GCSによって低下していた。本研究では、ドキソルビシンとそこにPI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用する際の細胞内セラミド量の変化を、マススペクトルによってモニターした。 その結果、細胞内でC16、 C18、 C24セラミドが、一過性にドキソルビシン処理により上昇し、そこにLY294002やAkt1/2 inhibitorのようなPI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用すると(GCS代謝活性を低下)、いずれの分子種のセラミドもさらに上昇した。 したがって、ドキソルビシンとPI3 kinase/ Akt経路遮断剤を併用することによる、抗がん作用の増強は、細胞内セラミドの上昇が媒介している可能性をみいだした。なお、ドキソルビシンによるセラミド誘導には、Sphingomyelinを分解してセラミドを生成するnSMase3の誘導が重要であることも見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標である、抗がん剤ドキソルビシンおよびPI3 kinase/ Akt経路遮断剤併用によって誘導される細胞内セラミド量をモニターすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
抗がん剤ドキソルビシンのほかのセラミド誘導性抗がん剤である微小管作用薬(ビンカアルカロイドやタキサン)などについても同様の解析、考察をおこなう予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度に消耗品のコストがかかる。 抗体などの消耗品
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