セラミドのアポトーシス誘導能を不活化することが知られているセラミド代謝酵素Glucosylceramide synthase (GCS)の発現レベルが、PI3-kinase/Akt経路の活性化レベルの高いがん細胞で亢進していた。そこで、本経路を遮断すると、がん細胞のGCS mRNAの発現が抑制され、酵素活性が低下した。その際、セラミド誘導性の抗がん剤に対するがん細胞の感受性が顕著に上昇した。また、GCS阻害剤やGCS siRNAによる発現抑制によっても同様の効果が認められた。即ち、PI3-kinase/Akt経路下流のGCSは、抗がん剤感受性を左右する「がん分子標的」であることが示唆された。
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