研究課題/領域番号 |
24590198
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
北原 隆志 長崎大学, 大学病院, 准教授 (30380934)
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研究分担者 |
佐々木 均 長崎大学, 大学病院, 教授 (00170689)
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キーワード | 遺伝子デリバリー / ワクチン / メラノーマ / マラリア |
研究概要 |
前年度は、高い遺伝子導入効率と安全性を兼ね備えた画期的な脾臓・樹状細胞標的型ベクターの開発に成功した。本年度はこのベクターを利用したメラノーマワクチンの開発を試みた。マウスメラノーマ抗原であるgp100とTRP-2のユビキチン化エピトープをコードしたpUb-Mとpolyethyleneimine (PEI)、およびγ-polyglutamic acid (γ-PGA)を最適な混合比で静電的に自己組織化させ、安定なナノワクチン(pUb-M/PEI/γ-PGA複合体)を構築した。 まず、pUb-M/PEI/γ-PGA複合体によるメラノーマ細胞の増殖抑制効果について検討した。5%糖液(control)、pUb-Mのみ、ルシフェラーゼ発現pDNA(pCMV-Luc)を用いたpCMV-Luc/PEI/γ-PGA複合体あるいはpUb-M/PEI/γ-PGA複合体でマウスに免疫誘導を行い、皮内移植したメラノーマ細胞の増殖を経日的に測定した結果、pUb-Mのみ、pCMV-Luc/PEI/γ-PGA複合体を投与したマウスの腫瘍はcontrolと同様に増殖し、差異は認められなかった。これに対し、pUb-M/PEI/γ-PGA複合体を投与したマウスの腫瘍増殖はcontrolと比較して有意に抑制された。さらに、メラノーマ細胞の肺転移に及ぼすpUb-M/PEI/γ-PGA複合体の効果について検討した。その結果、pUb-M/PEI/γ-PGA複合体を投与したマウスの肺に転移したB16-F10-Luc細胞数はcontrolと比較して有意に少なかった。また、pUb-M/PEI/γ-PGA複合体を投与したメラノーマ肺転移モデルマウスの生存期間はcontrolと比較して有意に延長した。 以上のように、我々は本年度の研究によって、脾臓・樹状細胞標的型ベクターを利用したメラノーマナノワクチンの開発に成功した。来年度以降は、マラリアワクチンなど、感染症ワクチンの開発に展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究実施計画をほぼ達成しているため、概ね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も、当初予定していた研究計画に従い研究を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
キャンペーン期間に購入するなど、研究費を効率的に使用した。 平成26年度に配分される研究費については、予定どおり消耗品および旅費として使用する。また、平成25年度の繰越は高額なサイトカイン測定キットに使用する予定である。
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