研究課題/領域番号 |
24590199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
原田 恵嘉 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 研究員 (30508643)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HIV / AIDS / 抗HIV療法 / 薬剤耐性 / 耐性誘導 / 臨床分離株 |
研究概要 |
本年度は、「多剤in vitro耐性誘導システム」を構築する目的で、(1)ラルテグラビル(RAL)耐性誘導後にマラビロック(MVC)耐性誘導を行い、それに伴うインテグラーゼ(IN)やエンベロープ(Env)領域に関する各種解析を行う、および(2)薬剤の順序を入れ替えて、MVC耐性誘導後にRAL耐性誘導を行い、(1)と同様の解析を行う、さらに、(1)および(2)で得られた各パラメーターをスコア化してシステム条件を構築して、(3)「多剤in vitro耐性誘導」を開始する、の計画で実験を進めた。 その結果、(1)に関しては4つのリアルタイムウイルスで解析が完了し、その成果の一部を学術雑誌に報告することが出来た(Journal of General Virology, 94, 933-43, 2013)。他方、(2)に関しては1つのリアルタイムウイルスで解析が完了し、MVC耐性誘導で得られたMVC耐性ウイルスが、その後のRAL耐性誘導により、IN領域だけでなくEnv領域にも変異が加わり、MVC高度感受性に変化することが明らかになった。このことは、本研究目的で記述した、一方の抗HIV剤に対する耐性変異が、他方の抗HIV剤の感受性に寄与する新たな組み合わせの一例に繋がり、その成果の一部は学術雑誌に投稿準備中である。そして(3)に関しても、(1)および(2)から得た各種パラメーターを解析し、試験的に多剤in vitro耐性誘導を開始したところである。 他方、各種サブタイプのR5-、X4-、およびX4/R5混在-臨床ウイルスの分離および解析に関しても、移動先の研究機関において新たなウイルスを確保および解析することが可能となり、リアルタイムウイルスライブラリーの拡充が出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「I. 多剤in vitro耐性誘導システムの確立」に関しては、「本年度の研究実施計画」および上記「研究実績の概要」で示した項目 (1)および(2)に関して、順調に進行しており、用いた抗HIV剤(RALまたはMVC)に対するターゲット領域(INまたはEnv)だけでなく非ターゲット領域(EnvまたはIN)に対する各パラメーターの解析を行うことができており、成果の一部は本年度中に学術雑誌に投稿することができた(Journal of General Virology, 94(5), 933-43, 2013)。さらに、(1)と(2)の解析結果を基に、試験的ではあるがRALとMVCを同時に加えた多剤in vitro耐性誘導を開始できたことも含め、ほぼ当初の計画通りに進んでいる。 「II. 各種サブタイプのR5-、X4-、およびX4/R5混在-臨床ウイルスの分離および解析」に関しても、新たなウイルスを確保および解析ができたことから、同じく、ほぼ当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、試験的にRALとMVCを同時に加えた多剤in vitro耐性誘導を開始したが、in vitro耐性誘導は1パッセージに7日程要すること、かつ、各臨床分離株において耐性獲得速度に差が生じることが予想されることから、常にシステムの改良を加えて「多剤in vitro耐性誘導システム」の確立を目指す。同時に現在行っているRALおよびMVCだけでなく、他の薬剤および中和抗体等の組み合わせも開始し、システム構築のデータを蓄積していくとともに、ウイルス学的にも新たな知見を見出すことを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記、推進方策においても示したが、次年度は、使用する臨床分離株および抗HIV剤の数を増やし、多剤in vitro耐性誘導を多元的に行っていく予定であり、本年度よりも消耗品の使用の増加が予想されたため、本年度の研究費の一部を次年度に使用することにした。内訳としては殆どが消耗品費の予定である。
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