研究実績の概要 |
本研究においては、carboxylesterase (CES)、butyrylcholinesterase (BuChE), arylacetamido deacetylase (AADAC), cholesteroesterase(およびparaoxonase (PON)によるエステルまたはアミド結合を持つプロドラッグの代謝活性に対する寄与を調べると共に、これらの代謝活性化酵素の臓器特異的発現機構について解明し、最終的にはトランスポーターと共発現させたプロドラッグの代謝活性化モデル細胞を作成することを目的として研究を行った。この中で、申請者は、 ヒトCES1A1,CES1A2,CES2A1, AADAC,PON1について、cDNAクローニングを行ない、それぞれのcDNAを昆虫細胞であるSf9またはヒト腎由来細胞であるHEK293に導入した異種細胞発現系を作成して、temocapril, CPT-11 methylprednisolone 21-hemisuccinateを初めとした臨床上重要なプロドラッグについて代謝活性化能について調べ、それぞれのプロドラッグで代謝活性化酵素が異なることを見いだした。さらに、これらの代謝活性化酵素の臓器特異的発現を調べた結果と併せて、この研究により、臓器を特定したプロドラッグの効率的な開発や臨床において安全性や有効性を踏まえたプロドラッグの適切な使用法を開発することが可能となった。
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