多発性骨髄腫(MM)の新たな診断・治療マーカーとして患者血清中MタンパクのL鎖結合糖鎖が応用できるかを検討した。骨病変を有する患者血清由来のL鎖結合糖鎖はCon Aレクチンとの反応性が高かった。また、株化細胞ではL鎖結合糖鎖と細胞表面糖鎖のレクチン反応性は相関し、腫瘍の転移に関与する糖転移酵素GnT-Vが発現していた。MM細胞株の表面ではIL-6濃度依存的にシアル酸結合糖鎖が増加し、MMの増悪との関連を見出し、同様の変化はL鎖結合糖鎖でも見られた。以上より、MタンパクL鎖結合糖鎖が細胞表面糖鎖を反映する可能性を見出し、L鎖結合糖鎖がMMの病態を反映した新たなバイオマーカとなる可能性を示した。
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