皮膚に塗擦するワクチンの基礎的検討として,モデル抗原として卵白アルブミン(OVA),ナノ粒子として酸化チタン(TiO2)を用いた製剤を調製した。ヘアレスマウス(HR)皮膚を脱毛し,その直後に適用するとナノ粒子が毛包深部に到達すること,また,脱毛によりランゲルハンス細胞が直後から少なくとも2日間は活性化することが明らかとなった。2週毎に3回,HR皮膚を脱毛し,その直後に皮膚適用したが,OVA溶液,OVA-TiO2共にOVA特異的IgG濃度の上昇はわずかであった。皮下注射ではOVA-TiO2でIgG濃度が上昇したことから,皮膚送達を高める方法などさらなる検討が必要である。
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