炎症性腸疾患(IBD)ラットにおいて、必須不飽和脂肪酸であるリノール酸およびα-リノレン酸はP-糖タンパク質(P-gp)の発現および機能レベルを修飾することにより、P-gp基質である治療薬の全身移行を回避させ、疾患部位の大腸まで効率よく送達させるという、薬物療法と栄養療法の相補的相乗効果が期待できる結果が示された。従って、IBDによってステロイド療法を遂行するにあたり必須不飽和脂肪酸の併用は有効な処方となる。エイコサペンタ塩酸、ドコサヘキサエン酸も検討し、各種脂肪酸の配合比率を考察することで、より良い処方設計を構築することが検討事項である。
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