研究課題
本研究は多発性骨髄腫における抗癌剤耐性機序の解明とシグナル伝達阻害薬を用いた耐性克服を目的としている。平成26年度は樹立したビンクリスチン耐性骨髄腫細胞株(RPMI8226/VCR)における耐性獲得機序の解明と耐性獲得に関与するシグナル伝達因子ついて解析を行った。まず、樹立したRPMI8226/VCR細胞においてシグナル伝達因子の解析を行った結果、細胞の生存・増殖に関与するERK1/2、Akt及びNF-κBの活性化を認めた。次に本研究課題において耐性因子として見出したMDR1及びSurvivinがERK1/2、Akt、NF-κBの阻害剤を用いることで発現が抑制されるか検討を行ったところ、各シグナル伝達阻害薬によりSurvivinの発現低下が認められたが、MDR1については変化が認められなかった。さらに、各シグナル伝達阻害薬とビンクリスチンを併用することで耐性が完全に克服されることを見出した。これらの結果は、ビンクリスチン耐性にはERK1/2、Akt及びNF-κB活性化に基づくSurvivinの発現増加が関与していることを明らかにし、これらの阻害薬がビンクリスチン耐性骨髄腫に有用である可能性を示唆した。
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