ヒト膵臓がん細胞に対するPPARγ刺激薬トログリタゾンの作用を検討したところ、トログリタゾンは濃度依存的に抗腫瘍効果を示した。また、その作用において、PPARγは関与しないことを明らかにした。Panc-1細胞では、重要な経路を見出すことはできなかったが、MIA Paca-2細胞においては、JNK経路がトログリタゾンの作用に一部関与していることを明らかにした。さらにMIA Paca-2細胞を用いて雄性ヌードマウスに移植後、トログリタゾンを経口投与したところ、有意な差はないものの、腫瘍体積並びに重量は低下傾向を示し、in vivoにおいても抗腫瘍効果を示す可能性を示した。
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