平成24年度は、味蕾細胞を培養する技術の確立と、膜電位を評価する最適条件の確立を行った。さらに25年度は、モデル薬剤のキニーネ、マクロライド系薬剤、フルボキサミンなどに絞り、発生した膜電位発生のプロファイルのパターン化についての基礎実験を行った。 平成26年度は、以上の基盤を基にして、膜電位感受性色素入り培地に培養味蕾細胞を播種後、キニーネ以外のアルカロイド、複数のマクロライド系薬剤、抗精神薬など、多種類の構造が異なる基質を添加し、発生した膜電位を蛍光色素により定量する実験の再現性を確認するとともに、必要最小限のヒト官能試験を実施し、それらと最も相関する味細胞系データベース構築を試みた。実験データについては、複数の薬物群ごとに、データベース化するとともに、膜電位変化と蛍光強度により膜電位変化を詳細に解析した。化合物の分子量、塩基性・酸性、分配係数などの指標に基づいて、一定時間での膜電位強度の評価、変化パターン(増強パターン、減衰パターン)の関数化、膜電位強度測定、パターン分析などを用いて評価を行い、どの指標、パラメータが最も苦味評価に適しているかを統計的に検証した。定時間での膜電位強度の評価、変化パターン(増強パターン、減衰パターン)の関数化、強度評価、パターン分析などを用いて多角的に評価を行い、どの指標、パラメータが最も苦味評価に適しているかを考察することで、本システムの最適化を行った。
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