研究課題/領域番号 |
24590227
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
岩崎 剛 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10151721)
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研究分担者 |
佐野 統 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00196304)
芝崎 誠司 兵庫医療大学, 共通教育センター, 准教授 (50342530)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 移植片対宿主病(GVHD) / 酵母(Yeast) / 分子ディスプレイ法 |
研究概要 |
HGFタンパクディスプレイ酵母の作成:提示すべきHGFタンパク遺伝子の5’末端に分泌シグナルをコードする遺伝子を、3’末端にPgsA遺伝子と融合し、適切なプロモーターの制御下で発現させ、HGFタンパク(α+β鎖)およびHGFタンパク(α鎖)を細胞表面にディスプレイした酵母菌を作成した。急性GVHDモデルは、10週齢の (DBA/2 x B6) F1マウスにB6マウス脾細胞を移入して作成した。実験群は1)コントロール酵母菌投与群、2)HGFタンパク(α+β鎖)発現酵母菌投与群、3)HGFタンパク(α鎖)発現酵母菌投与群に分け、酵母菌の投与は、5 x 109/200μLをGVHD誘導後、Day 0-4、Day 7-11、Day 21-25に胃ゾンデを用いて経口投与した。その結果、HGFタンパク(α+β鎖)発現酵母菌投与群のマウスは死亡までの期間が他のマウスとは大きく異なり、皮膚の炎症などGVHDの症状が現れるのも他より明らかに遅かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた急性GVHDモデルは、10週齢の (DBA/2 x B6) F1マウスにB6マウス脾細胞を移入することで作製され、HGFディスプレイ酵母の評価系が順調に確立された。予定通りの実験群を用いて本酵母の経口投与がすすめられ、各群における効果が解析された。
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今後の研究の推進方策 |
急性GVHDモデルマウスへのHGFディスプレイ酵母の治療効果を、繰り返し実験し再現性を確認する。また、急性GVHDモデルマウスへHGFディスプレイ酵母を投与し、生存期間が延長した原因を明らかにするため、急性GVHDモデルマウスの腸管の病理組織学的解析を行う。また、腸管、肝臓、脾臓における炎症性サイトカインの発現をRT-PCR法にて解析し、炎症性サイトカインが抑制できたかどうかを確認する。さらに、腸管組織におけるHGFレセプター(c-Met)のリン酸化をウエスタンブロットにて解析し、HGFディスプレイ酵母の経口投与により、腸管上皮細胞に発現する、HGFレセプター(c-Met)が活性化されているかどうかを確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
成果発表の学会出席を翌年度に延期したため。 平成26年度、成果発表の学会出席を行う。
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