APC(adenomatous polyposis coli)蛋白質は最初、癌抑制因子として発見された。APC蛋白質のC末端部分が欠損した変異APC蛋白質を発現するAPC1638Tマウスでは、β-カテニンとの結合領域が保存されているので癌は発生しないが、様々な異常が見つかった。APC1638Tマウスの腸の長さは野生型マウスよりも短く、小腸の陰窩底から腸絨毛先端までの長さが長かった。腸上皮細胞の移動速度は野生型マウスよりも速かった。骨格系には様々な異常(短肢、亀背、骨化不全)が認められた。歩行パターンでは四肢の協調性が欠如していた。皮膚のHair Cycle に異常が認められた。
|