皮膚感覚装置の終末シュワン細胞は丸い細胞体から突起を一本出した単極形で,その先が分かれグリア薄板となる。幼若ラット頬ひげ毛包の槍型感覚終末単極形シュワン細胞と周辺の星形シュワン様細胞,両者の中間形の極性変化をカベオラと一次線毛に注目し免疫染色と電顕で比較した。また,細胞外ATPで誘発されるCa信号を共焦点顕微鏡解析した。星形シュワン様細胞では毛包基底膜に面した核中央の窪みから線毛がのび,線毛周囲膜ポケットにカベオラが多数開き,刺激誘発性信号は細胞体に始まるのに対し,中間形単極形シュワン細胞では痕跡的な線毛が突起基部にみられ,カベオラはグリア薄板に集まって,Ca応答は各薄板が細胞体に先行した。
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