研究課題/領域番号 |
24590254
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小林 直人 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50234836)
|
キーワード | プロサポシン / タイムラプス / 遺伝子導入 / 神経栄養因子 |
研究概要 |
プロサポシン(Prosaposin)はサポシンA~Dの前駆体蛋白質であり、細胞質のリソソーム内で蛋白質水解性に切り出されて各サポシンを生ずる。一方、プロサポシンは単なるサポシンの前駆体蛋白質であるだけではなく、神経細胞においてプロサポシン自身が神経栄養因子として作用すると報告されている。しかしながらその作用機序の詳細は未解明である。 当研究室はこれまでにラットプロサポシン遺伝子を培養細胞株にトランスフェクションし、ラットプロサポシン蛋白質を過剰発現させる事に成功している。新たにヒトプロサポシン遺伝子をヒト神経培養細胞株SH-SY5Yにトランスフェクションし、ヒトプロサポシン蛋白質を過剰発現させ、細胞の形態変化を観察した。本実験ではヒトプロサポシンcDNA全長を発現するベクターの他、赤色蛍光蛋白質DsRedとの融合蛋白質を発現するベクターも作成した。DsRed融合蛋白質は蛍光顕微鏡で検出可能であるため、培養しながら発現細胞のタイムラプス撮影が可能である。従来は化学的に遺伝子導入をおこなってきたが、今回購入した電気的導入装置のお陰で、実験効率は格段に上がった。 プロサポシンの神経保護作用の仕組みは未解明であるが、本研究を通してプロサポシンの機能解明が進む事が期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子の導入が進み、学会でも発表を行った。実験例数を増やして、今年度中には論文発表を行える目処がついている。
|
今後の研究の推進方策 |
実験条件に関しては、使用細胞の選別、遺伝子導入の効率化がほぼ終了した。今年度はさらに例数を増やして安定したデータを得た後に論文作成に進みたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の予算が少ないので、必要な物だけを購入し、節約した結果である。 次年度使用額は5万円余りであり、次年度の予算も少ないことから、次年度の研究計画内容を普通に遂行すれば使用可能である。
|