研究課題
平成25年度までの研究で神経毒性のあるMPP+によりパーキンソン病モデルを作製し、PS-18FAMを投与して細胞内への取り組みや細胞内での動態をタイムラプス記録法により検討した。その結果、 PS-18FAMは神経細胞への取り込みが認められた。さらに、MPP+を投与した細胞では取り込まれたPS-18FAMの細胞内濃度が急激に減少しており、障害を受けた神経細胞内ではPS は急激に消費されることを示しているものと思われた。平成26年度では、新たにPS遺伝子導入によりPSを強制発現させた細胞は、カイニン酸投与を受けた場合でも障害が軽い事が明らかになった。また、この結果を元に行われたNabekaらの生体でのカイニン酸投与に関する2編の論文(業績PLOS ONE:2014,2015)では、軽度のカイニン酸投与により、PSの神経細胞内での産生と含有量が高まることを発表した。さらに、GABA性の抑制ニューロンが軽度のカイニン酸投与後にPSを軸索輸送することを始めて明らかにした。一方、PS受容体に関する検討は、2013年にMeyerらによりPS受容体がオーハン受容体であるGPR37とGPR37L1であるとする決定的な論文が発表され、10年以上に渡るPS受容体に関する議論に終止符を打った。この為、計画していたPS受容体に関する研究をさらに進めることが可能となり、急遽GPR37とGPR37L1に対する市販抗体を購入するとともに自家性の抗体を作成し研究を進めている。両受容体は多くの組織に有ることが分かり本年3月に7報の学会発表を行った。ヒトおよびラットのGPR37とGPR37L1に対する抗体とともに、ヒトおよびラットのPSに対する抗体を入手出来たので、これらを使用して総合的に研究を広げて行きたいと考えている。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (7件)
PLOS ONE
巻: in press ページ: in press
in press
Cell Tissue Res
巻: 356 ページ: 231-242
巻: 9 ページ: 1-8
9(5):e95883
巻: 10 ページ: 1-19
10.1371/journal.pone.0110534