研究課題/領域番号 |
24590257
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
池田 やよい 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00202903)
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研究分担者 |
池田 正明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20193211)
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キーワード | 脳の性分化 / 性ホルモン / エストロゲン / ノックアウトマウス |
研究概要 |
申請者らは、内分泌・生殖系の発生・機能に働く核内受容体NR5A1(略称SF-1)の役割を明らかにする研究を行っている。本研究は、発生初期より生殖腺を欠如するSF-1遺伝子破壊(SF-1KO)マウスを利用して、脳の性分化を(1)性決定遺伝子Sryによる制御、及び(2)臨界期の性ホルモンに寄る制御、の2つの制御機構について、1神経核の構造、2遺伝子発現、3アポトーシス、4エピジェネティック変化、5性行動、の5つの観点に着目して解析を行ない、分子機構の解明を目指す。平成24-25年度は、脳の性分化を(1)オスの性分化決定因子として知られるSry遺伝子の有無、(2)性ホルモンの影響という2点から検討する研究を行った。発生初期より性ホルモンを欠如するマウスモデルとしてオリジナル SF-1KO マウスの脳の性分化を解析した。このマウスの生後発達段階について、性差のある脳の領域である前腹側脳室周囲核(AVPV)に着目し、神経核の大きさ、神経細胞数・密度を調べた。この領域での発現に性差を示すことがわかっているエストロゲン受容体α(ERα)、プロゲステロン受容体(PR)、キスペプチンの発現を、生後の各段階について、免疫組織化学法により調べた。ホルモンの脳の性分化への影響について、出生直後の性ホルモンは脳を雄化するか? および思春期前の性ホルモンは、脳を雌化するか? の2点を検証するために、合成エストロゲン暴露実験を行い、上述の遺伝子発現変化を免疫組織化学法により解析した。結果は、脳の性分化におけるホルモンの役割に関する仮説を支持するものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度は、ノックアウトマウスの作製、維持は順調で、免疫組織化学法による解析、およびホルモン暴露実験とその解析も順調に進んでいた。しかし、最近、オリジナル SF-1KO マウスが出生直後に死んでしまい、生後の副腎皮質ホルモン補填によるレスキューができない状況が生じており、脳のサンプルが得られず研究計画が研究通りに進んでいない。予定していた研究手法である、in situハイブリダーゼーションによる遺伝子発現、およびウエスタンブロッティング、リアルタイム RT-PCRによる定量的解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解析を引き続き進める。さらに、脳構造の性差に、アポトーシスが関わるかどうかを、TUNEL 法によりアポトーシスの性差を解析する。また、関連因子 TNFα、活性型 caspase-3、Bcl2/Bax について免疫組織化学法を行う予定である。また、性行動の観点から、成熟期のオリジナル SF-1KO マウスについて、(1)ホルモン暴露を行なわない場合、(2)出生直後の性ホルモン暴露した場合、(3)思春期前の性ホルモン暴露した場合、のそれぞれについて、マウンティング、ロードシスを指標とした性行動を調べる予定である。しかし、ノックアウトマウス作製、維持のトラブルが解消されない場合は、本年度が最終年度であるため、性行動の解析は実施不可能であると予測されるため、年度内に得られた結果の中で研究をまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に使用するノックアウトマウスの作製にトラブルが生じたため、解析が計画通り進まず、解析用の試薬等の使用額が少なくなった。 上記の理由により、これまで利用したノックアウトマウスで研究を継続することが困難と考えられる。このトラブルを解決するために、次年度に新規のノックアウトマウスを作製する必要が生じるので、そのために必要な経費として使用することを計画している。
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