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2012 年度 実施状況報告書

血管形成におけるFOXO1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24590258
研究種目

基盤研究(C)

研究機関香川県立保健医療大学

研究代表者

古山 逹雄  香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (20238702)

研究分担者 稲垣 忍  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90151571)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード血管形成
研究概要

(1)tip細胞の形態変化
in vitroでFOXO1を欠損する血管内皮細胞は、VEGF投与後に正常の内皮細胞が示す形態変化に異常をきたすことが報告されている。生体の血管形成時にその先端に位置するtip細胞はVEGFの濃度勾配を感知して血管の伸長を調節している。このことからtip細胞の形態がFOXO1の欠損により影響を受けると血管伸長をコントロールできないために血管形成に異常が生じる可能性が高い。これを明らかにするため血管特異的にFOXO1を欠損させたP6の網膜の血管内皮細胞をFITC-GS-lectinにて染色後、共焦点レーザー顕微鏡によりtip細胞数、そこから伸びる突起の数、方向等についてジェノタイプによる違いを検討した。まだ予備的ではあるが、FOXO1欠損によりtip細胞数の増加傾向、そこから伸びる突起の数の減少と横方向への広がりの増加傾向が観察された。また血管分岐の増加傾向も認められた。これらの結果についてさらに検体数を増やして確認する予定である。
(2)Notch関連分子の発現変動
tip細胞の形成を調節する重要な経路であるNotch経路の分子の発現へのFOXO1の影響を検討するため、大動脈由来の内皮細胞でのFOXO1発現抑制時のJagged1、Dll4の発現量をウエスタンブロット法、および定量PCR法にて確認した。FOXO1欠損によりJagged1タンパクは増加傾向を示し、Dll4は変化がなかった。網膜を用いた発現検討ができていないので試料が得られ次第検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物飼育施設の汚染のため、マウスを一時的に淘汰し再度クリーンアップするなどの非常事態がおきたため、再度マウスの個体数を増やすのに予想外の時間がかかっていることが大きな遅れの原因となっている。マウスの大動脈からの内皮細胞の培養はおおむね順調に行えるようになったため、細胞培養を用いた実験を優先して行っている。PDGF-Bのプロモーター解析について、内皮細胞にCreアデノウイルスを感染させることによりノックアウト状態を誘導する試みを行ったが、内皮細胞の増殖度に変化が起こるなどのトラブルが頻発するため、siRNAを用いたノックダウンによりFOXO1タンパクレベルを低下させるべく方針変更した。その確認などに時間を要したため当初予想していたよりも進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

大動脈から単離した内皮細胞を用いてPDGF-Bの発現をFOXO1が直接的にコントロールしているか否かをレポーターアッセイ、ChIPアッセイ、PDGF-BのELISAを行って最終的な結論を得る。同時にJagged1、Dll4、Notch1のタンパク発現におよぼすFOXO1タンパクの効果をsiRNAをもちいて発現をノックダウンさせることにより検討する。
またTie2Cre/FloxFOXO1マウスの繁殖が進みつつあるので網膜血管を用いた検討を進める。同時にリンパ管の形成過程におけるFOXO1の影響を、このマウスの生後2日目にタモキシフェンを腹腔内投与しその後の尻尾と腸管粘膜の生後発達過程を検討する。最初にFOXO1がリンパ管内皮細胞に発現しているか否かをまず検討した後に、リンパ管内皮細胞の特異的マーカーであるLYVE1に対する抗体を用いて行う。

次年度の研究費の使用計画

Tie2Cre/FloxFOXO1マウスの繁殖に要する飼育費用、FOXO1抗体、Jagged1、Dll4、 Notch1等のNotchシグナルに関わる分子に対する抗体、ChIPアッセイ用キット、リンパ管内皮細胞特異的LYVE1抗体等の購入に用いる予定

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of Foxo1-regulated genes using Foxo1-deficient pancreatic β cells2012

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki S, Minamida R, Furuyama T, Tashiro F, Yamato E, Inagaki S, Miyazaki J.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 17 ページ: 758-767

    • DOI

      10.1111/j.1365-2443.2012.01625

  • [学会発表] 糖尿病マウス血管内皮細胞におけるFoxo1の機能2013

    • 著者名/発表者名
      宇仁和将、香原美咲、福本萌、植田進之助、古山達雄、稲垣忍
    • 学会等名
      日本解剖学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20130328-20130330

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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