糖尿病性腎症では、糸球体基底膜、メサンギウム、糸球体上皮細胞、内皮細胞に形態変化が生ずることがよく知られているが、これらの形態変化に伴う分子構築の変化については不明な点が多い。本研究では、O-グリコシド結合N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)とよばれる糖のタンパク質への修飾を指標にして糖尿病性腎症に伴う糸球体の分子構築の変化を解明することを目的に、糸球体を単離し、プロテオミクス並びに免疫組織化学によりO-GlcNAc修飾タンパク質の解析を行った。その結果、糸球体上皮細胞に特異的に発現するシナプトポディンなどにO-GlcNAc修飾の変化が起こり、それに伴い局在が変化することが判明した。
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