研究課題/領域番号 |
24590266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
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研究分担者 |
宮津 基 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40396346)
竹谷 浩介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20586862)
赤尾 鉄平 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60399821)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ムスカリン受容体 / 信号伝達 / GTP結合蛋白 / 非選択性陽イオンチャネル / 毛様体筋 / 副交感神経 / 平滑筋 / 貯蔵量作動性カルシウムチャネル |
研究概要 |
本研究は、毛様体筋および瞳孔括約筋というほぼ純粋に副交感神経にのみ支配される恰好のモデル的な組織を実験材料に選び、遺伝子ノックダウン培養細胞系や遺伝子改変マウスを利用して、ムスカリン受容体作動性のNSCCおよびその調節系の分子実体を解明することを目標としている。 初年度においては、とりあえず多くの組織量が確保できるウシ材料において、セルソータを使った選別により眼内筋細胞のみを分離して培養する方法を開発することに成功した。今後は、従来不可能であった遺伝子ノックダウンによる蛋白分子の機能評価を遂行する。さらに、ウシに比べ利用できる組織量が非常に少ないマウス材料(重量比1/30000)でも同様の培養法ができるよう方法の改良を進めている。 また、TRPC3およびTRPC6のノックアウトマウス[提供:Prof L Birnbaumer (NIH)、西田基宏教授(生理研・統合バイオ)]を用いた実験を遂行中である。微小筋束を用いた等尺性張力記録、fluo-4を用いた細胞膜電流記録、蛍光抗体を用いた蛋白局在の可視化に加え、超遠心による膜分画採取などの方法も導入に成功した。今後は、他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変動物にも同様の手法を適用して、NSCCS/L分子本体の解明に努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【目標1】 「血管平滑筋、線維芽細胞、色素細胞など周辺の細胞から眼内筋平滑筋だけを選別して培養する方法を確立し、遺伝子ノックダウンなどによる特定蛋白質の機能評価を可能にする。」に関しては、とりあえず多くの組織量が確保できるウシ材料において、セルソータを使った選別により眼内筋細胞のみを分離して培養する方法を開発することに成功した。これにより、従来不可能であった遺伝子ノックダウンによる蛋白分子の機能評価が可能になった。 【目標2】「STIM1/Orai1や各種TRPCの遺伝子を改変したマウス眼内筋において収縮実験、電気生理学的実験、[Ca2+]i記録などの実験を行い、正常動物との違いを調べることによって、これらのチャネル蛋白とNSCCS/Lとの関連を探る。」に関しては、TRPC3およびTRPC6のノックアウトマウスを用いた実験を遂行中である。微小筋束を用いた等尺性張力記録、fluo-4を用いた細胞膜電流記録、蛍光抗体を用いた蛋白局在の可視化に加え、超遠心による膜分画採取などの方法も導入に成功した。これらの方法は、原理的に他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変マウスにも適用できる。NSCCS/L分子本体の解明に向けて大きく前進したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
毛様体筋細胞の初代培養が安定的にできるようになったウシ材料において、従来不可能であった遺伝子ノックダウンによる蛋白分子の機能評価を遂行する。さらに、ウシに比べ利用できる組織量が非常に少ない(重量比1/30000)マウス材料でも同様の培養法ができるよう方法の改良を進める。 TRPC3およびTRPC6のノックアウトマウスで確立した方法により、他のTRPCやSTIM1/Orai1の遺伝子改変マウスを用いた実験を進め、NSCCS/L分子本体の解明に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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