小腸上皮細胞には、スフィンゴシン塩基のC4位と脂肪酸のC2位に水酸基が付加したフィトセラミド構造を持つスフィンゴ糖脂質(GSL)が豊富に存在する。本研究では、フィトセラミド構造の生物機能を解明するために、小腸上皮細胞に発現する新規の脂肪酸C2水酸化酵素の同定を目指した。野生型マウスの小腸では、既知の脂肪酸C2水酸化酵素FA2Hの発現が認められず、FA2H欠損マウスの小腸には、水酸化脂肪酸(hFA)を含むGSLが野性型マウスと同様に検出されたことから、小腸上皮細胞にはセラミド骨格の脂肪酸を水酸化する未知の脂肪酸水酸化酵素が存在していることが明らかになった。
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