研究課題/領域番号 |
24590290
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
坂田 進 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20142383)
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研究分担者 |
西井 康恵 畿央大学, 健康科学部, 助手 (50461207)
中谷 昭 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70116284)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 自発的運動 / OLETF / 長寿遺伝子 / 心機能 / インスリン抵抗性 / SERCA / 遺伝子発現 |
研究実績の概要 |
2型糖尿病OLETFラットを1か月齢から17か月齢まで回転カゴ付き飼育ケージにて飼育した(O回転群)。対照群は、標準飼育ケージで飼育したOLETF(O標準群)とLETO ラット(L群)である。1)糖尿病:高血糖と高HbA1cを示すO標準群に対して、O回転群の血糖とHbA1cは正常値であり、糖負荷実験の血糖値時間曲線下面積もL群と差がなかった。また、O回転群では、骨格筋GLUT4の増大によるインスリン感受性の亢進がみられた。2)心機能:超音波画像解析によりO標準群では左室弛緩機能が低下していたが、O回転群では低下していなかった。圧カテーテルによる心機能解析の結果、O標準群では±dP/dtの低下およびtauの延長が見られたが、O回転群の±dP/dtとtauはL群と同じ値であった。また、O標準群の左室SERCA2a発現量は低下していたが、O回転群では低下していなかった。3)腎機能:O標準群では、尿量、尿中蛋白質、BUN、クレアチニンが増加したが、O回転群では、これらの値はL群に近いものであった。尿細管障害マーカーの測定より、O標準群では糸球体、近位・遠位尿細管に障害があったが、O回転群では糸球体に僅かに障害があった。4)学習記憶能:回避型学習後50日目で、O標準群は記憶を保持していなかったが、O回転群は記憶を保持していた。O標準群の血中アミロイドβは増加していた。5)運動能:持久的運動能測定・握力測定・金網ぶら下がり試験では、O標準群・O回転群・L群の順番で運動パフォーマンスが高かった。O回転群の骨格筋では、速筋線維横断面積・HK活性・CS活性・FABP活性はO標準群に比し増加していた。6)遺伝子発現:骨格筋のDNAマイクロアレイにより、O回転群では糖尿病関連遺伝子1428個の内25個の遺伝子の発現に変化が見られ、現在、これらの遺伝子発現量と上記の生理機能との関連を調査している。
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