研究課題/領域番号 |
24590299
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
渡邊 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
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研究分担者 |
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助教 (20093627)
木場 智史 鳥取大学, 医学部, 講師 (40565743)
庄盛 浩平 鳥取大学, 医学部, 講師 (60314572) [辞退]
梅北 善久 鳥取大学, 医学部, 教授 (80244226)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 香料 / 皮膚バリア / 角質水分量 |
研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎の原因として、皮膚バリア障害によるアレルゲンの皮膚への進入とそれに続く免疫担当細胞の皮膚への集積・活性化が考えられている。近年、私たちは、慢性ストレスをラットに負荷すると皮膚バリア障害が起こり、このバリア障害は鎮静系の香料の緑の香りにより防止される事実を発見した。一方、慢性ストレスをアトピー性皮膚炎モデルマウスに負荷すると、アトピー性皮膚炎が発症すると報告されている。従って平成24年度は、ストレス負荷アトピー性皮膚炎モデルマウスが皮膚炎発症前に香料を嗅ぐことにより、皮膚バリア障害が防止でき、アトピー性皮膚炎が予防できるか否かを検討した。しかし、ストレス負荷マウスにアトピー性皮膚炎そのものが発症しなかった。そこで、平成25年度は、マウスの背部皮膚にピクリルクロライドを塗布してアトピー性皮膚炎を発症させて香りの予防・治療効果を検討した。しかし緑の香りは皮膚炎に対して予防・治癒効果を及ぼさなかった。そこで26年度は、よりストレスとの関連が考えられている、ヒトのアトピー性皮膚炎への香りの治癒効果について検討した。香りを嗅がなかった患者と比較して、バラの香りを嗅いだ患者では角質水分量が有意に増加した。しかし、血漿コルチゾール濃度、TARC濃度、 LDH、好酸球数、IgE濃度において、バラの香り群とVehicle群に有意な差は認められなかった。本研究の結果から、バラの香りにはヒトのアトピー皮膚炎に対する治療効果があることが分かった。
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