本研究では細胞レベルでがん化に関与するタンパク質を同定するために、TATタンパク質を用いたタンパク質導入法とミトコンドリア活性測定による新しいスクリーニング法を確立した。この手法を用いてエストロゲン非依存性乳がん細胞MCF-7より分離した3つのPeak A、B、Cについてミトコンドリア活性の測定を行ったところ、Peak Cにおいてミトコンドリア活性の低下が確認された。質量分析計による解析の結果、Peak Cに含まれるタンパク質をHistone H4と同定した。Peak AおよびPeak Bについてはタンパク質精製の途中で活性が消失した。今後抽出タンパク量を増やし、感度を上げる必要がある。
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