成熟期に情動行動異常を示すマウスを、遊具を備えた広いケージ内で4週間飼育するとその症状が緩解することを見出した。また、その飼育遊具の中で、利用率の高かった回転かごのみを設置したケージ内で同様に飼育したところ、症状が緩解された。次に健常マウスを同様に飼育し、脳内アレイ解析したところ、オピオイドペプチドDynorphin Aの発現が高くなっていた。次に、このペプチドの活性断片を正常マウスに連続投与し、ストレス負荷をしたところ、障害の発症が抑制された。以上のことから、自発運動によって脳内でのDynorphin Aの発現が高まり、この仕組みを利用すれば精神疾患の予防につながる可能性が示唆された。
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