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2014 年度 実績報告書

脳におけるレトロトランスポゾン発現の性差と生殖機能

研究課題

研究課題/領域番号 24590307
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

前川 文彦  独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (40382866)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードレトロトランスポゾン / 性的二型核 / 脳 / マウス / エピジェネティクス
研究実績の概要

発達期の脳は、神経突起伸張やシナプス形成が起こる形態形成時期であり、この時期に脳への有害影響は永続的な脳機能の低下を引き起こす。また血液脳関門の形成も十分でないため、呼吸器や消化器経由により取り込んだ有害化学物質の影響をうけやすいことも知られている。このような環境化学物質の発達期の脳への有害機序の一つとして、脳内のでのレトロトランスポゾン増加が考えられる。特にレトロトランスポゾンの一種であるLong interspersed element-1(L1)のRNA発現量増加およびそのゲノムDNAへの再挿入の増加が危惧されている。前年度までの検討により、マウスを用いた動物実験から、脳内の視索前野においてL1の発現の雌雄差があることが明らかになった。また、L1発現を制御する因子として、DNAメチル化因子の発現を検討したところTet2の発現に有意な性差が認められた。本年度は、実際の有害化学物質の曝露が直接的なL1の発現誘導を引き起こし、さらにその影響に性差があるのか調べる第一歩として、大気汚染物質として知られる有機二次エアロゾルを発達期にマウスに曝露し、その行動とレトロトランスポゾン発現への影響を調べた。その結果、マイルドな行動異常が検出されるとともに、L1発現の異常が検出された。これらの結果から有害物質曝露下におけるL1の発現の性差を調べる基盤を構築することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The mechanisms underlying sexual differentiation of behavior and physiology in mammals and birds: relative contributions of sex steroids and sex chromosomes.2014

    • 著者名/発表者名
      前川文彦
    • 雑誌名

      Frontiers in Neuroscience

      巻: 242 ページ: 9

    • DOI

      10.3389/fnins.2014.00242

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 培養細胞を用いた発達神経毒性評価試験法の近年の動向2014

    • 著者名/発表者名
      前川文彦
    • 雑誌名

      化学工業

      巻: 65 ページ: 538-547

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 幼少期の環境が行動発達に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      前川文彦
    • 学会等名
      第20回「性と生殖」公開シンポジウム「人間科学における神経内分泌研究からの展開」
    • 発表場所
      早稲田大学所沢キャンパス(埼玉県)
    • 年月日
      2014-12-20 – 2014-12-20
    • 招待講演
  • [学会発表] ディーゼル排気由来SOAの胎児期~乳児期曝露がマウスの社会行動・空間学習行動に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      Tin-Tin-Win-Shwe
    • 学会等名
      大気環境学会第55回大会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-19
  • [学会発表] ディーゼル排ガス由来二次生成有機エアロゾルの発達期曝露が後発的に雄性行動および行動柔軟性に及ぼす影響の解析2014

    • 著者名/発表者名
      佐野一広
    • 学会等名
      第21回日本行動神経内分泌研究会第21回全国集会
    • 発表場所
      ホテル 美やま(埼玉県)
    • 年月日
      2014-09-03 – 2014-09-05

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公開日: 2016-06-01  

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