脳内炎症プロセスがその認知行動異常に関与することが示唆されている。今回、発達段階のおいて脳内で誘導されたプロスタグランジンが認知や情動に関与することをマウスを使用して解析した。プロスタグランジンを誘発するためにLPSを使用した。リポポリ多糖LPSを妊娠マウスへ投与し、その仔を用いて行動解析を行ったところ、行動異常が認められた。プロスタグランジンE2受容体阻害剤を出生後に投与し、行動解析を行ったが、異常行動の改善は認められなかった。しかしながら、LPSを同時に投与したところ、行動異常は消失した。以上のことから、出生前の脳内炎症によるプロスタグランジンの生成が行動異常を誘導することが示唆された。
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