私達は様々な薬物やホルモンなどの生体内の情報伝達物質の作用点となっているG-タンパク質共役型受容体の候補調節因子としてCRELD1を見つけました。試験管内の実験で受容体量を大きく変動させる性質を持つCRELD1の生体内機能を調べるため、マウスのCRELD1遺伝子を破壊した実験を行ったところ、想定されたような大幅な受容体量の変化は見つけられませんでしたが,上あごに発生する癌がマウスに好発することを発見しました。上顎癌の発生の仕組みは他の癌に比べて解明が遅れているため、ヒトと類似した仕組みで上顎癌を発生するマウスは病因の解明や治療法の開発に役立てられると考えられます。
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