研究課題
細胞内ジヒドロビオプテリン(BH2)増加の長期的な影響を調べる実験を行った。1. マウスでのメトトレキサートとsepiapterinの長期間投与方法・投与量の検討を行い、浸透圧ミニポンプの使用により、組織中ジヒドロビオプテリン(BH2)増加が得られた。また、partial carotid ligationモデルの作成を行い、2週間の頸動脈部分結紮で5匹中4匹で動脈硬化病変を確認できた。しかし、組織中BH2増加による頸動脈動脈硬化病変の増強はみられなかった。その原因のひとつとして、高用量のメトトレキサートによる長期的な影響が考えられた。2. そこで、細胞内でBH2からテトラヒドロビオプテリン(BH4)への変換を行うdihydrofolate reductase (DHFR)のコンディショナルノックアウトマウス(Dhfr(loxP))の作成を開始した。理研より納入されたDHFR遺伝子フロックスキメラマウスとC57BL/6との交配で得られたF1マウスのDNA genotypingを行ったところ、PCRにて改変遺伝子のgermline transmissionを確認することができた。さらにサザン解析で、2種類のES細胞(#19と#33)由来のマウスで予定通りの遺伝子改変が起こっていることを確認した。
3: やや遅れている
当該年度では、Dhfr(loxP)のヘテロ接合体マウス同士の交配により、ホモ接合体マウスを作製してきた。しかし、#19のES細胞ライン由来のマウスは繁殖率が低く、#33のマウスに比べおよそ1世代分交配が遅れている。また、#33のマウスでもホモ接合体の出現率が理論的な予想値よりかなり低く(55匹中2匹)、当初の予定より進行が遅れている。
次年度では、可能な限り交配数を増加させ、低出生率を補う予定である。さらに改変遺伝子に含まれているネオマシンカセットが出生率に悪影響を及ぼしている可能性があるため、FLPマウスと交配することによりネオマイシンカセットを除去したマウスを作製する予定である。
当初見込んでいた消耗品が安価に購入できたため。物品購入に充てる。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
琉球医学会誌
巻: 32 ページ: 7-12
Circ J
巻: 77 ページ: 1827-1837
10.1253/circj.CJ-12-1434
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/pharmaco/Pharmacology/youkoso_yao_lihe.html