研究課題
1.遺伝的網膜色素変性症モデルマウスに対する鉄キレーターの保護作用遺伝的網膜色素変性症モデルマウスの1つであるC57BL/6J-Pde6anmf363/nmf363に鉄キレーターであるdeferasiroxを投与したところ,ピーナッツアグルチニンによって染色される錐体細胞の数の減少が抑制されることが分かった.Deferasiroxは,網膜色素変性症モデルマウスにおいて認められる視細胞外節と網膜色素上皮細胞の境界付近におけるtransferrinの発現の増加を抑制する傾向を示した.また,Deferasiroxは,網膜色素変性症モデルマウスの視細胞内節における発現を減少させる傾向を示した.加えて,Deferasiroxは,網膜色素変性症モデルマウスにおいて認められる酸化ストレスマーカーである8-OHdG陽性細胞数の外顆粒層における増加を抑制した.以上のことから,deferasirox の視細胞保護効果には,視細胞における鉄キレート作用とそれに引き続く酸化ストレスの軽減が関与している可能性があると考えられた.2.NMDA誘発網膜神経傷害に対する鉄キレーターの保護作用ラットの硝子体内にN-methyl-D-aspartic acid(NMDA)を投与することによって誘発した視神経節細胞の傷害に対し,鉄キレーターであるzinc-deferoxamineは保護作用を示した.NMDAは,網膜の視神経節細胞層におけるferritinの発現を増加させた.Zinc-deferoxamineは網膜の視神経節細胞層におけるferritinの発現をさらに増加させる傾向を示した.Zinc-deferoxamineは,NMDAにより誘発された8-OHdG陽性細胞数の視神経節細胞層および内顆粒層における増加を抑制した.以上のことから,zinc-deferoxamineの視細胞保護効果には,酸化ストレスの軽減が関与しているが,これらの作用にzinc-deferoxamineの鉄キレート作用が関与している可能性は低いものと考えられた.
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Biol Pharm Bull.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Now Printing
Eur J Pharmacol. Jun 5;756:52-8. doi:
巻: 756 ページ: 52-58
10.1016/j.ejphar.2015.03.008
巻: 38 ページ: 321-324
10.1248/bpb.b14-00631
巻: 38 ページ: 139-143
10.1248/bpb.b14-00491
Exp Eye Res.
10.1016/j.exer.2015.02.020
J Pharmacol Sci.
巻: 127 ページ: 211-216
10.1016/j.jphs.2014.12.014
Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol.
巻: 388 ページ: 575-582
10.1007/s00210-015-1099-0
J Neurosci Res.
巻: 93 ページ: 380-890
10.1002/jnr.23492
Curr Eye Res.
巻: 40 ページ: 549-553
10.3109/02713683.2014.933851
巻: 37 ページ: 1986-1989
10.1248/bpb.b14-00540
巻: 129 ページ: 127-134
10.1016/j.exer.2014.11.005
巻: 37 ページ: 1838-1842
10.1248/bpb.b14-00487
Birth Defects Res B Dev Reprod Toxicol.
巻: 101 ページ: 293-299
10.1002/bdrb.21112
Eur J Pharmacol.
巻: 733 ページ: 13-22
10.1016/j.ejphar.2014.03.035
巻: 92 ページ: 692-702
10.1002/jnr.23358
http://www.pharm.kitasato-u.ac.jp/molpharm/