網膜色素変性症や緑内障などの病態で認められる視神経節細胞死には,活性酸素種が重要な役割を果たしていることが示唆されているが,これらの活性酸素種の産生には鉄をはじめとする金属元素が大きな役割を果たしている.遺伝的網膜色素変性症モデルマウスに鉄キレーターであるdeferasiroxを投与したところ,錐体細胞数の減少が抑制されることが分かった.ラットの硝子体内にN-methyl-D-aspartic acid(NMDA)を投与することによって誘発した視神経節細胞の傷害に対し,鉄キレーターであるzinc-deferoxamineは保護作用を示すことが明らかとなった..
|