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2012 年度 実施状況報告書

人工アミノ酸導入による2型リアノジン受容体チャネル活性制御とその破綻機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24590330
研究種目

基盤研究(C)

研究機関順天堂大学

研究代表者

村山 尚  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードリアノジン受容体 / カルシウムチャネル / 不整脈 / S4-S5リンカー
研究概要

本研究は人工アミノ酸を用いて2型リアノジン受容体(RyR2)のS4-S5リンカーを介する相互作用を同定し、チャネル活性制御と疾患変異による破綻の分子機構を明らかにすることを目的とした。平成24年度は催不整脈性疾患変異体の作製と機能解析および人工アミノ酸導入のためのRyR2の改変を行った。
RyR2の催不整脈性疾患(CPVTおよびARVD)変異を有する変異体を15種類作製した。チャネル活性を細胞内Ca2+イメージング法で測定したところ、これらの変異体はいずれも野生型に比べて活性が亢進していることが明らかとなった。リアノジン結合法でCICR活性を測定した結果、Ca2+依存性およびゲインの亢進が見られた。しかし、その程度は変異体によって異なっていた。
S4-S5リンカーに光架橋可能な人工アミノ酸を導入する準備として、精製用および検出用のタグ配列を挿入した。精製用のアフィニティタグはStreptavidin-binding peptide (SBP)を用い、D2領域に挿入した。検出用のエピトープタグはHA-tagをC末端に挿入した。加えて、配列特異的プロテアーゼであるTEVプロテアーゼ認識配列をS1-S2リンカーに挿入した。これらの挿入変異体は野生型と同様のチャネル活性を有していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で24年度に計画した実験については、疾患変異体の作製と機能解析および人工アミノ酸の導入準備のいずれも当初の予定通りに進行している。

今後の研究の推進方策

平成24年度に人工アミノ酸導入のための準備は整ったので、平成25年度以降は当初の予定通り実際に人工アミノ酸を導入する実験を行う。
人工アミノ酸はS4-S5リンカー中に導入する。RyR1を用いたアラニン置換実験 (Murayama et al., J. Biol. Chem., 286, 35571-35577, 2011) で活性変化が著明だったT4754、L4756、S4758を最初のターゲットとする。人工アミノ酸の導入は連携研究者の坂本が開発したアンバーコドン (UAG) を認識するtRNAとアミノアシルtRNA合成酵素 (aaRS) ペアにより行う。光架橋可能な人工アミノ酸としてp-Benzoil-L-phenylalanine (pBpa) を用いる。HEK細胞で安定発現株を樹立後、機能解析を行う。 pBpa導入RyR2を精製用タグで精製後、種々の条件下で光架橋する。配列特異的プロテアーゼで限定分解後、エピトープタグで検出を行う。これを質量分析して架橋部位を同定する。
疾患関連変異体についても同様な操作を行い、架橋部位の同定を行う。これらの結果から、相互作用部位に関する予測を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Usefulness of running wheel for detection of congestive heart failure in dilated cardiomyopathy mouse model2013

    • 著者名/発表者名
      Sugihara M, Odagiri F, Suzuki T, Murayama T, Nakazato Y, Unuma K, Yoshida K, Daida H, Sakurai T, Morimoto S, Kurebayashi N
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8 ページ: e55514

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0055514

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mitosis-coupled, microtubule-dependent clustering of endosomal vesicles around centrosomes2013

    • 著者名/発表者名
      Takatsu H, Katoh Y, Ueda T, Waguri S, Murayama T, Takahashi S, Shin HW, Nakayama K
    • 雑誌名

      Cell Struct Funct

      巻: 38 ページ: 31-41

    • DOI

      doi: 10.1247/csf.12028

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nitric oxide-induced calcium release via ryanodine receptors regulates neuronal function2012

    • 著者名/発表者名
      Kakizawa S, Yamazawa T, Chen Y, Ito A, Murayama T, Oyamada H, Kurebayashi N, Sato O, Watanabe M, Mori N, Oguchi K, Sakurai T, Takeshima H, Saito N, Iino M
    • 雑誌名

      EMBO Journal

      巻: 31 ページ: 417-428

    • DOI

      10.1038/emboj.2011.386

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multistep ion channel remodeling and lethal arrhythmia precede heart failure in a mouse model of inherited dilated cardiomyopathy2012

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T, Shioya T, Murayama T, Sugihara M, Odagiri F, Nakazato Y, Nishizawa H, Chugun A, Sakurai T, Daida H, Morimoto S, Kurebayashi N
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7 ページ: e35353

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0035353

    • 査読あり
  • [学会発表] 1型リアノジン受容体チャネルに対する疾患変異の多様な効果

    • 著者名/発表者名
      村山 尚、呉林なごみ、小山田英人、鈴木純二、金丸和典、小口勝司、飯野正光、櫻井 隆
    • 学会等名
      第86回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡
  • [学会発表] C末端悪性高熱変異を有する1型リアノジン受容体チャネルの機能解析

    • 著者名/発表者名
      村山 尚、青木良輔、赤塚祐介、呉林なごみ、小山田英人、小口勝司、櫻井 隆
    • 学会等名
      第90回日本生理学会大会
    • 発表場所
      船堀

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公開日: 2014-07-24  

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