研究課題
本研究は心筋に存在する2型リアノジン受容体(RyR2)のチャネル活性制御と不整脈性疾患変異よる破綻の分子機構を明らかにするため、活性制御に関わるドメイン間相互作用を人工アミノ酸を用いて同定することを目的とした。HEK細胞発現系を用いてRyR2を安定発現する系を構築した。野生型RyR2を発現したHEK細胞は自発的なCa2+振動を示した。カテコラミン誘発性多型性心室頻拍(CPVT)疾患変異の導入により、Ca2+振動の頻度の増加が見られた。小胞体(ER)内Ca2+測定により、疾患変異導入によりER Ca2+レベルが低下していることが明らかとなった。さらに、[3H]リアノジン結合実験から、CPVT変異はCa2+誘発性Ca2+遊離(CICR)活性を亢進することがわかった。人工アミノ酸の導入は、アンバーコドンを利用した改変アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)およびtRNA発現系を使用した。aaRSとtRNAをより効率的に発現させるため、改変バキュロウイルス発現系を構築した。これによりプラスミドとして導入する場合に比べて、aaRSとtRNAの大幅な発現上昇が達成できた。RyR2の疾患変異部位にアンバーコドンを導入して光架橋可能な人工アミノ酸であるp-benzoyl-phenylalanine(pBpa)の導入を行ったところ、ウェスタンブロットでpBpa導入RyR2の発現が確認できた。現在、活性の検出および光架橋について引き続き実験を進めている。
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