研究課題
ペプチド性キマーゼ阻害薬とパクリタキセルの長期併用効果を検討するため、犬4頭の左右の頚動脈間にPTFE人工血管壁(直径:6mm;長さ:7cm)をそれぞれ移植した。頸部の切口を吻合する前に、左のPTFE人工血管移植部位にはキマーゼ阻害薬とインドメタシンをそれぞれ含有するアルゼット浸透圧ポンプを設置し、右のPTFE人工血管移植部位にはキマーゼ阻害薬、パクリタキセルおよびインドメタシンをそれぞれ含有するアルゼット浸透圧ポンプを設置した。アルゼット浸透圧ポンプは一ヶ月ごとに交換した。その四ヶ月後、PTFE人工血管を採取し、血管内膜肥厚度や人工血管壁への外膜からの線維芽細胞の浸潤度などを検討した結果、左右のいずれの人工血管内の血管内膜肥厚度がこれまでのビークル群とあまり差がなかった。また、血栓形成予防効果を期待してインドメタシンの投与を行ったが、人工血管内腔内の血栓形成にもビークル群(これまでの既存データとの比較)と有意な差がなく、左右の差も認められなかった。その詳細な原因は不明ではあるが、浸透圧ポンプから遊離される薬剤が人工血管移植部位全体をカバーできなかったことが考えられた。
すべて 2014
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