研究課題
本研究は、小胞体ストレス応答におけるNrf2システムの生理的役割と、その活性化機構を明らかにすることを目的とする。Nrf2システムとは、酸化ストレス防御の中心を担うストレス応答型転写機構であり、研究代表者は、これまでにゼブラフィッシュを活用して研究を行い、Nrf2システムが、酸化ストレスだけでなく小胞体ストレスにも応答して発動することを、遺伝学的に発見した。本年度は、常時活性化型PERKの過剰発現解析により、Nrf2がPERKにより直接活性化されるわけではないことを実証した。また、これまでの解析結果を遺伝学的に証明するために、ATF4変異系統の作製に取り組み、ATF4変異系統の作製に成功した。ただ、作製に手間取り、これを用いた解析を行うまでは至らなかった。研究期間全体の成果としては、1)Nrf2システムは、小胞体ストレスにより活性化し、小胞体ストレスの軽減に作用することを、遺伝学的に証明した、2)小胞体ストレスによるNrf2システムの活性化は、従来予想されていたリン酸化タンパクPERKによるNrf2の直接リン酸化ではなく、間接的なものであることを示した、3)2)のPERKによるNrf2活性化にはATF4が関与することを実証した、の3点が上げられる。1)に関しては、現在論文にまとめているところである。
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Genes Cells
巻: 未定 ページ: 未定
Neurosci. Res.