Wntシグナル伝達経路は癌や胚発生において重要な働きを担い、β-cateninの核内移行がシグナル伝達の鍵となる。本課題では、まず質量分析により、Wntシグナル分子のDVLと結合する足場タンパク質としてIQGAP1を同定し、Wntシグナル伝達経路でのIQGAP1の機能を解析した。 その結果、(1)IQGAP1はWntシグナル伝達に対してポジティブに機能すること、(2)IQGAP1はIQGAP1/β-catenin/DVL2の複合体を形成すること、(3)核内移行因子であるImportin-β5やRanと結合能を有するIQGAP1を介することで複合体が核内に移行することを明らかにした。
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