RNA干渉を誘導する短い2本鎖RNA(siRNA)を医薬品応用するためには、siRNAを疾患部位特異的に送達させる技術が必要不可欠である。我々はこれまでにsiRNA・アテロコラーゲン複合体が炎症部位の炎症性マクロファージや腫瘍組織の癌細胞に特異的に送達され、なおかつ薬理効果を示す事を証明してきた。本課題ではその分子機序を解明するため、網羅的遺伝子解析を行い、炎症性マクロファージや癌組織で発現増加するコラーゲン結合タンパク質を多数同定した。そのうち、CD280がsiRNA・アテロコラーゲン複合体の炎症性マクロファージや癌細胞への取込に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
|