研究課題/領域番号 |
24590350
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
沼野 利佳 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30462716)
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研究分担者 |
中尾 和貴 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20217657)
河野 剛士 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70452216)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 極小電極VLSチップ / 概日リズム / 視交叉上核 / 時計遺伝子Per1 / Per1組み換えマウス |
研究実績の概要 |
初年度に整備した豊橋技術科学大学における特定の微生物に感染していないSPF実験空間において、概日リズムをリアルタイムでモニターできるPer1:lucやPer1:GFP遺伝子組み換えトランスジェニック(Tg)マウスを用いて、SCNの中枢時計のリズムを発光測定装置や、共焦点顕微鏡で観察している。 SCNスライスに対してVLS法で作成された微小刺入型電極(豊橋プローブ)を用いて、SCN脳スライスの細胞内・外電位の数分の短時間の記録を行った。先端が先鋭化したVLSチップを用いて、細胞株や脳スライスの深部の神経細胞に、外来性の蛍光蛋白を発現するDNAを導入してアプローチした細胞をマーキングに成功している。これにより、どの神経細胞から発火スパイクを測定したかが判別できることがわかった。 SCNの光刺激については、Per1:GFP遺伝子を発現させた細胞株を用いた実験で、光反応の化合物MAGとLiGluR受容体を用いた光刺激を同じdish内の性質の違う細胞に対して行うと、老化やストレスにより1細胞レベルの時計遺伝子Per1の発現誘導が弱くなることから、位相リセット機構が弱くなることがわかった。 異種の機能を持つ細胞集団のSCN組織において、光反応の化合物MAGとLiGluR受容体を用いた光刺激を応用した実験系で、部分的に刺激を行った。nativeの状態での目からの光受容と異なる時計遺伝子の発現誘導がみられ、刺激していない部分の細胞にも時計遺伝子の発現誘導がみられ、刺激は伝達された。これは、nativeの状態での目からの光刺激に反応するインプット部位以外でも、外部刺激を受け、SCN組織において、その情報が伝達されていくことをしめす。その刺激が、リズム形成に意味を成すかは今後の課題である。 この時の、SCN組織内の神経細胞の発火頻度をVLSチップにての測定は、現在、ノイズが高く有意なデータはまだ取得できていない。実験条件やチップの改善が必要である。
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