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2013 年度 実施状況報告書

新規脂質代謝酵素群PLA/ATファミリーの内因性基質の同定とそれらの生理機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24590355
研究機関香川大学

研究代表者

宇山 徹  香川大学, 医学部, 助教 (30457337)

キーワードPLA/ATファミリー / HRASLSファミリー / 脂質代謝酵素 / アシル転移酵素 / ホスホリパーゼA1/A2 / リン脂質 / N-アシルホスファチジルエタノールアミン / N-アシルエタノールアミン
研究概要

我々は、癌抑制遺伝子として単離されていた5分子のHRASLSファミリー (HRASLS1-5) すべてがリン脂質を基質とした脂質代謝酵素活性を示すことを見出し、これらをphospholipase A/acyltransferase (PLA/AT)-1-5と名付けた。しかしながら、PLA/ATファミリーが細胞内においても酵素として機能しているか否かは明らかになっておらず、その生理機能には不明な点が多い。昨年度の研究から、PLA/AT-2が生理活性脂質であるN-アシルエタノールアミンの前駆体であるN-アシルホスファチジルエタノールアミンを生成するN-アシル転移酵素として機能していることが細胞レベルで明らかになった。本年度の研究では、PLA/AT-1 (別名HRASLS1) を安定的に過剰発現するHEK293細胞株 (PLA/AT-1発現細胞) を樹立し、同分子の生理機能を細胞レベルで解析した。PLA/AT-1発現細胞を[14C]エタノールアミンで代謝標識し、脂質抽出物を薄層クロマトグラフィーで解析したところ、N-アシルエタノールアミンとその前駆体であるN-アシルホスファチジルエタノールアミンが蓄積していた。LC-MS/MSによるリン脂質の解析からも同様の結果が得られた。これらの脂質の増加は、酵素活性をもたないPLA/AT-1のC119S変異体を発現させた細胞では見られなかった。これより、PLA/AT-1はPLA/AT-2と同様に細胞内においてN-アシルホスファチジルエタノールアミンを生成する脂質代謝酵素として機能している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した内容の多くは予定通り達成でき、おおむね期待していた結果が得られた。しかしながら、一部の研究に関しては、予定していたほどは進まなかった。

今後の研究の推進方策

我々が見出してきたPLA/ATファミリーの生理機能について、本年度の知見を踏まえさらに理解を深めていきたい。また、交付申請書に記載した研究内容で、まだ着手できてない部分があるので、これを今後推進する。

次年度の研究費の使用計画

少額のため次年度末までに使用する。
物品購入費用として使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of phospholipase A/acyltransferase-1 in N-acylphosphatidylethanolamine generation2013

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama, et al.
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta - Molecular and Cell Biology of Lipids

      巻: 1831 ページ: 1690-1701

    • DOI

      10.1016/j.bbalip.2013.08.017

    • 査読あり
  • [学会発表] Phospholipase A/acyltransferase-1による動物細胞におけるN-アシルホスファチジルエタノールアミンの生成2013

    • 著者名/発表者名
      宇山 徹 ら
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [学会発表] Generation of N-acylphosphatidylethanolamine by PLA/AT-1 in mammalian cells2013

    • 著者名/発表者名
      Toru Uyama, et al.
    • 学会等名
      23rd Annual Symposium of the International Cannabinoid Research Society
    • 発表場所
      カナダ
    • 年月日
      20130621-20130626
  • [学会発表] Phospholipase A/acyltransferase-1によるN-アシルホスファチジルエタノールアミンの生成2013

    • 著者名/発表者名
      宇山 徹 ら
    • 学会等名
      第55回日本脂質生化学会
    • 発表場所
      松島
    • 年月日
      20130606-20130607
  • [学会発表] LRATに相同性を示す新規リン脂質代謝酵素によるペルオキシソームの機能調節2013

    • 著者名/発表者名
      宇山 徹 ら
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第65回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130517-20130518
  • [備考] 香川大学医学部生体分子医学講座生化学

    • URL

      http://www.kms.ac.jp/~biochem/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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