研究課題/領域番号 |
24590366
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野口 正人 久留米大学, 医学部, 教授 (10124611)
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研究分担者 |
佐藤 秀明 久留米大学, 医学部, 准教授 (60271996)
杉島 正一 久留米大学, 医学部, 准教授 (30379292)
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (40352124)
原田 二朗 久留米大学, 医学部, 講師 (10373094)
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キーワード | ヘムオキシゲナ-ゼ / 生理的ヘム分解 / シトクロムp450還元酵素 / タンパク質間の電子伝達 / ビリベルジン / ビリルビン |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は,本来ヘム蛋白質ではないが,NADPH-シトクロムP450 還元酵素(CPR)からの電子を利用して, 基質であるヘムが自触的に酸素分子を活性化し,3段階の酸素添加反応によってヘムを開環し,ビリベルジン・鉄・CO を生成する。本研究では,HO 反応において最後の未解決問題であるCPR からHO への電子の受け渡し機構およびその電子が基質であるヘムに到達するHO 内部の径路を明らかにすることを目的とする。これまでに我々は、表面プラズモン共鳴法を用いた結合実験とコンピュ‐タ‐モデリングから,CPR/HO-1 複合体の推定構造を得た。この構造およびHO 活性測定実験から, K149,K153 およびR185 がCPR との相互作用に重要であると結論した。しかしながら最近CPR にはドメイン単位での構造的揺らぎがあることが知られた。我々は, 最も開いた状態のヒンジ短縮型CPR(△TGEE) が, ヘム-HO 結合体と強固な複合体を形成することを知った。更にCPR(△TGEE)とヘム-HO 複合体の結晶化に成功し、その複合体の構造を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CPRにはP450はじめ複数の生理的なredox partner蛋白が知られているが、これまでCPRとredox partner蛋白との複合体の構造は、知られていなかった。今回のHO/CPR複合体の構造決定が初めての報告である。
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今後の研究の推進方策 |
一連のヒンジ短縮型CPR-ヘム-HO の結晶構造に基づき, single turnover 実験によりヘム-HO 結合体に触媒量のCPR(wCPR あるいは一連の ヒンジ短縮型CPR)を加えヘム分解の中間過程を分光学的に追跡して, ヘムからビリベルジンに至る間の中間反応速度および全反応速度を詳細に検討する。用いるヒンジ短縮型CPR によっては, おそらくベルドヘム段階で反応が停止する可能性があるので, そのような場合にはベルドヘム-HO 結合体を用いて反応過程を追跡する。
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次年度の研究費の使用計画 |
経費節減ができたため。 消耗品(試薬)および学会参加費に当てる。
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