研究課題
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患の病因の一つとして、プロテアソームの機能不全による異常タンパク質の過剰な蓄積が考えられている。生体防御関連遺伝子の発現を制御する転写因子Nrf1は、プロテアソームのサブユニットタンパク質の転写を促進し、プロテアソームの活性化を代償することが報告されていることから、Nrf1がタンパク質分解経路を制御し、神経変性の抑制に作用している可能性が考えられた。この仮説を検証するために、本研究課題ではALSのモデル動物であるヒト変異SOD1遺伝子発現マウスにNrf1遺伝子を導入し、Nrf1の活性化と神経変性の軽減の関連性を検討した。本研究では、Nrf1とヘテロダイマーを形成して機能する転写因子MafGの遺伝子発現制御領域 (MafG regulatory domain; MGRD) にNrf1 cDNAとFLAG配列、polyA配列を連結して作製したNrf1トランスジェニックマウス(MGRD-Nrf1Tgマウス)とALSモデル動物であるヒト変異SOD1遺伝子発現マウス(H46R変異SOD1-Tgマウス)を交配してDouble-Tgマウスを作製した。次に、Nrf1遺伝子の導入によりSOD1-Tgマウスの運動症状等の神経変性の進行を経時的に解析した。さらに、Nrf1へテロ遺伝子欠損マウスと交配し、Nrf1遺伝子の減少(50%低下)による神経変性の進行の増減の解析を試みた。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Biological Psychiatry
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.biopsych.2015.11.021
FEBS Letters
巻: 589 ページ: 2011-2018
10.1016/j.febslet.2015.05.039